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2022年の将棋情勢

渡辺明名人が将棋情勢について解説していたのがあまりにも面白かったので書きとめておく。興味のある方は本人の解説を参照されたい。

後日、将棋のAIについてたまたま飯能将棋センターを運営している方の面白い書き物を見つけた。AIの進化の目覚ましさが見て取れる。

1985年発売の内藤九段将棋秘伝のことか?

これらは10級以下、少し強くなっても7~8級だったと思う。そんな棋力のソフトを何回か試した程度で、当時は将棋ソフトがいずれ有段者を相手にできるなんて考えられなかったものだ。

1996年発売のNINTENDO 64最強羽生将棋

これは正確には初段はなかったのかもしれないが、それまでがそれまでだっただけに、非常に強い印象を受け驚いた。特に驚いたのが、△7七に出来たと金が、6筋へと2八にいる玉に近づいて来た時のこと。それまでのソフトは、(玉が居玉でさえ)かならず桂香を取りに△8八へ入っていたからである。と金が玉に近寄ってきたあの一瞬は今でも忘れられない。

1998年発売のNINTENDO 64 AI将棋3

非常に筋が良くなり、しかも指し手が早い(その当時としては)。それまでは一手指すのに何分もかかっていたものが、40秒程度で指すようになったのだ。それでいて有段者並みの手を指す!これは大いなる驚きだった。

2002年発売の東大将棋5

特にその終盤力。将棋ソフトが強くなってきたと言っても、詰み以外は、序盤・中盤・終盤、どこを取ってもまだまだと思っていたのだが、そんな思いをこの東大将棋5は吹っ飛ばした。終盤に入るまでに優勢にしておかないと勝ちきれない、そう言う風に思わせられるほど終盤力が強化されていたのもこの東大5からである。勝ちだと思っていた局面から絶妙の詰めろ逃れの詰めろをかけてきた瞬間は忘れられない。

2004年発売の激指4

中盤力が強化され、終盤に磨きが掛かった。棋譜分析もより正確になりほぼ完璧なソフトとなった。東大将棋5の時でさえ感嘆したその終盤力は、はっきりと検討に使えるようにさえなってきた。


あいにく先に挙げたAIと対局した経験がないので、これらの記述はそうだったんだなと思うほかないが、門外漢でも、数年おきにどんどん強くなっている様がよくわかる明快な文章である。

個人的には、大学生のときに池袋のジュンク堂で「われ敗れたり」を立ち読みして衝撃を覚えた記憶が鮮明に残っている。これは2012年、米長邦雄永世棋聖がAI「ボンクラーズ」に負けた手記である。そして、2022年。トップのプロ棋士ですら研究にAIを用いているという渡辺明名人による解説は先に説明したとおりである。

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