プログラマにお勧めするSteamゲーム
趣味もプログラムであるようなプログラマは少なくないだろう。私もそのうちの一人だ。
そう。私たちは考えることが好きなのだ。
この記事では、考えるのが好きな私がSteamで購入できるパズルゲームを厳選して紹介したいと思う。
たまにはパズルゲームでもいかが?
お勧め一覧
一覧はおすすめ順にしてある。
Factorio
あなたは工場長だ!工場を整備して生産や防衛を自動化しよう。
「プログラマの採用面接に使っている企業がある。」という記事を読んで、面白そうだなと思って買ったのがこのゲーム。
期待通りの面白さで、
- 部品の組み合わせによる新たな部品/製品の作成
- 既存の工場のリファクタリング
- ボトルネックの特定、改善
- バグの特定、修正
といった具合に、プログラミングで要求されるスキルと類似点が多い。
プログラミングと同様に、プレイする人によって生産性に100倍も1000倍も差が出る面白いゲームだと思う。
Steamで5000時間プレイした人が次のようにレビューしていたが、ちょっと納得できてしまう。日常に支障をきたすことは間違いないので、安易に手を出すのはおすすめしない。
factorioは人生であり、生活である。
Last Call BBS
Zachtronicsというdelveloperがいる。彼らは折り紙付きのパズルゲームをいくつも作り出してきた。
Last Call BBSはZachtronicsが手がけた最後のゲームである。
いくつかのパズルが遊べるので、Zachtronicsがどんなパズルゲームを作るのか知るのに最適だろう。Zachtronicsのパズルゲームの一つの特徴として、解き終わった後に他人のプログラムのステップ数、使用した部品の数などのヒストグラムが表示されるというものがある。禿そうになりながら、やっとの事で解けたと思って蓋を開けてみると、「下位5%の効率だった。」なんて事もしばしばで、それもまた楽しい。Zachtronicsのゲームは全体的に難易度が高いゲームが多いが解いた時の達成感も一入である。
これ以外にもZachtronics社製のゲームをいくつか紹介しているが、このゲームのどのパズルも楽しめなかったのであればZachtronics社製のパズルは避けた方が無難かもしれない。
The Witness
ゲームについて述べてしまうとネタばれになってしまうため、何も調べずにやってみていただきたい。
以前お勧めした人から、3D酔いしてしまった。という感想を頂いたので普段一人称視点のゲームをやらない人は注意が必要かもしれない。
The Case of the Golden Idol
このゲームは、一言でいえば謎解きアドベンチャーということになるのだろうか。ゲームはいくつかのチャプターから構成されている。各チャプターは、殺人事件の一幕が描写されていて、証言や証拠をもとに何が起きたのか推理をする。というのがこのゲームの主な流れ。物語の質が高く、前半の伏線が後半で見事に回収されていく。
公式では日本語がサポートされていないのだが、有志によりハイクオリティの日本語化パッチが配布されている。英語ができない人も安心して遊んでみてほしい。
このゲームが気に入った人には、似たようなジャンルとしてReturn of the Obra Dinnもお勧めしておく。個人的にはそこそこ楽しめたが、後半になるにつれてバックトラックでごり押しが必要な、できの悪い数独を解いているような後味の悪さがあったと記憶している。Papers, Pleaseもそこまで楽しめなかったので、単に私がLucas Popeの作品とそりが合わないだけかもしれないけど。
これらが楽しめるなら、Her Storyも楽しめるだろう。
TIS-100
Zachtronics社製。
仕様書を読んでアセンブラを書く。たまには硬派なゲームもいいじゃないか。
Room to Grow
ストアページを見ていただければ、どのようなゲームかわかると思う。
大きく3章構成になっているが、章ごとにルールがアレンジされ飽きさせない。
かわいいサボテンに反して、難易度はやや高めに感じた。
Opus Magnum
Zachtronics社製。
指定された物質を錬金するための機械を作成するゲーム。
機械は主にアームからなる。アームは画面上に自由に配置でき、それぞれのアームが所望の動作になるようにプログラムを記述することになる。このゲームをやると、あなたはRob Pikeの格言を思い出さずにはいられないだろう。
Rule 4.
Fancy algorithms are buggier than simple ones, and they're much harder to implement. Use simple algorithms as well as simple data structures.
ボリュームは小さめなので気軽に遊べると思う。
SpaceChem
Zachtronics社製。
指定された化学物質を作成するためのラインを設計するゲーム。
先述したOpus Magnumと同じdeveloperで、ゲームのコンセプトは似ていると思う。ただし、同期やスイッチによる状態遷移など、複雑な概念が盛り込まれている。難易度は非常に高い。
SHENZHEN I/O
Zachtronics社製。
アセンブリ言語に近い低級言語を用いて指定された半導体回路を作るゲーム。
このゲームをやったおかげで、この記事でマイコンを使ってみようというモチベーションが生まれた。
指定されたプログラムを作成するために必要な言語やマイコンの仕様は、付属の仕様書を読んで習得しなければならない。「なぜ休みの日に仕様書片手にプログラムを書いているのだろうか。」と自問したくなること間違いなしだ。
Portal & Portal 2
Steamで遊んだことがあるのに、このゲームをやったことない人はもぐりといわれるくらい有名なゲーム。C言語でいうとこのK&Rのようなものか。
二人で協力できるので、誰かと遊べるならPortal 2は本当にお勧め。
お勧めの中では簡単すぎるかもしれない。
よくセールもしているのでお財布にも優しいゲーム。
A=B
A=Bは命令が1つしかないプログラミングゲームです:A=Bで、AをBに置き換えるという意味です。
「置換しかできない言語で何ができるんだ。」と思わないだろうか。実はこの言語はチューリング完全だ。
A=Bを実装してみたので、試してから買ってみるのも悪くはないだろう。
Chants of Sennaar
プレイヤーが複数の未知の言語を推測して習得していくという他に類を見ないパズルゲームである。
多言語で同一の内容について言及されている壁画なんかは、まさにロゼッタストーンを思い起こさせる。
バベルの塔をモチーフとしているという世界観も美しく、ストーリーもなかなか面白かった。
理不尽さもほとんど感じることもなかったし、難易度も絶妙でパズルゲームとして文句なしに完成度が高かった。15時間もあれば全実績解除できるようなお手軽さもよかった。
Human Resource Machine
本作は以下に示すような簡単な命令セットからなるプログラミングを使用したパズルゲームである。
- add
- sub
- copy from
- copy to
- jump
- jump if zero
少し簡単すぎるかもしれないが、油断するとすぐにスパゲッティコードになってしまうだろう。
プログラミング未経験者にも自身を持ってお勧めできる。
なお、本作には続編「7 Billion Humans」があるが後述するようにあまりお勧めしない。
お勧めしない一覧
積極的におすすめはできないが、気になるなら買ってみてもよさそうなものを一覧にした。
これらの中には過去にお勧めしていたが相対的にお勧めできなくなったもの等が含まれる。
本当につまらなかったものはこの一覧に列挙すらしていない。
Baba Is You
Lisp系の言語が「Programmable Programming Language」であるとすると、Baba Is Youは「Programmable Sokoban」であると言えるだろう。
細かな言語規則に依るような理不尽と思えるパズルがあったり、最終版にちょっとやりすぎだなと思わせるような点があったりして消化不良になりがち。
Patrick's Parabox
とても面白かったが途中で飽きてしまった。
これもBaba Is Youと同じ理由で積極的にお勧めしにくい。
shapez
Factorioあるならいいかなーって感じ。
7 Billion Humans
Human Resource Machineの続編。並行プログラミングのコンセプトを取り入れた。上手く言語化できないがあまり面白くなかった。
Braid
一見マリオのような、ただの横スクロールアクションに見えるが、本作はまったく異なる。時間を巻き戻せる能力を駆使したパズルゲームなのである。
ちなみに前述した「The Witness」の開発に携わったJonathan Blow氏が開発したものらしい。
以前お勧めしていたが、ちょっと癖が強い——楽しいというよりは苦しさが勝感じ?——のでこちらに移動。
欲しいもの一覧
ずっとやってみたいと思っているが購入まで至っていない。
The Talos Principle 2
第一作目は3D酔いが酷くてやめてしまった。内容は結構面白かったので改善されているようだったら購入してみたい。
Turing Complete
そろそろCPU作ってもいいかな。と思っているけどなかなか腰が重くて…。