地球の歩き方と世界遺産検定のコラボ——「世界遺産の歩き方 学んで旅する!すごい世界遺産190選」
Description

本書は、あの「地球の歩き方」シリーズと世界遺産検定のコラボによって生まれた一冊だ。
190もの世界遺産がフルカラーの写真付きで紹介される。190と聞くと随分多く思えるかもしれないが、2026年10月現在、世界遺産はなんと1200件を超えている。
本書の冒頭には世界遺産の基礎知識も簡潔にまとめてあって勉強になった。
世界遺産の登録基準
世界遺産として登録されるには、10個の登録基準(i)~(x)のうち一つ以上を満たす必要がある。(i)~(vi)の文化的な基準を満たすものを文化遺産、(vii)~(x)の自然的な基準を満たすものを自然遺産、両方を満たすものを複合遺産という。
(i) 人類の創造的資質や人間の才能を示す
(ii) 文化の価値観の相互交流を示す
(iii) 文化的伝統や文明の存在に関する証拠を示す
(iv) 建築様式や建築技術、科学技術の発展段階を示す
(v) 独自の伝統的集落や、人類と環境の交流を示す
(vi) 人類の歴史上の出来事や伝統、宗教芸術などと強く結びつく
(vii) 自然美や景観美、独特な自然現象を示す
(viii) 地球の歴史の主要段階を示す
(ix) 動植物の進化や発展の過程、独自の生態系を示す
(x) 絶滅危惧種の生息域でもある、生物多様性
-- P8
たとえば、日本を代表する富士山は、登録基準(iii)及び(vi)を満たすことによって文化遺産として登録されている。ちなみに、当初は自然遺産としての登録が検討されていたが、火山としての平凡性や固有の生態系がないこと、ゴミ問題などを理由に見送られたとWikipediaに記載されていた。
ただし、登録基準を満たすだけでは登録されない。顕著な普遍的価値を持つことに加えて、法律による保護や保全計画など、長期的に守っていくための体制も求められる。
危機遺産と登録抹消
世界遺産は、登録されればそれでOKというわけではない。紛争や自然災害、開発などによって価値が損なわれたと見なされれば危機遺産リストに載せられ、改善されなければ登録を抹消されてしまう。
実際、ドイツのドレスデン・エルベ渓谷は、橋の建設が原因で2009年に登録を抹消されたそうだ。
Conclusion
ペルーのマチュピチュやエジプトのギザの大ピラミッドなど、人類の神秘に包まれた遺跡。
フランスのモン・サン・ミシェルや、スペインのアントニ・ガウディの作品群など、圧倒的な建築技術や創造性を示す建築物。
広島の原爆ドームやポーランドのアウシュビッツ強制収容所など、負の歴史を示す遺跡。
アメリカのイエローストーン国立公園やナミビアのナミブ砂漠などの雄大な自然。
どれも眺めているだけで楽しめる。
各遺産ごとに1~2ページしか割かれていないため、ある遺産を詳しく調べる用途には向かない。その一方で、世界にどんな遺産があるか知るためには最適な一冊だと思う。
今回は世界遺産をテーマにしたゲームを作るための資料として購入した一冊だったけど、想像以上の収穫だった。
世界遺産とアインシュタイン・タイルをテーマにしたジグソーパズルゲームなので、よかったら遊んでみてね。
More info
- Wikipedia: アインシュタイン・タイル
- Wikipedia: ドレスデン・エルベ渓谷
- Wikipedia: 世界遺産
- Wikipedia: 危機にさらされている世界遺産
- Wikipedia: 富士山-信仰の対象と芸術の源泉
- 世界遺産検定公式HP
- 地球の歩き方