数学者とルービックキューブ
今日、家族で買い物中にルービックキューブを買った。最もメジャーな3x3の立方体のものである。
「息子が、少しづつパズルに興味がでてきたんだし。」
と、妻を説き伏せたのだが、実のところは私が久しぶりに触りたくなったからである。
妻には少し思い入れがあるようで、こんなエピソードを教えてもらった。
妻の父は数学者である。幼少のころ、ルービックキューブをどうしても元の状態に戻せず父に助けを求めたらしい。
「これもどらないの。」
「ちょっとみせてごらん。」
それから、紙と鉛筆で試行錯誤を始めたらしい。しばらくした後、こう言われたらしい。
「これは数学的に解けないことがわかった。」
ばらばらに分解したことがある人ならわかると思うが、戻し方によっては元に戻せないものになるのである。
妻とルービックキューブ
妻が大学生のとき、アルバイト先にスピードキューブの達人がいたらしい。
父の件もあいまって、私がもたもたと組み立ててもまったくほめてくれない。
私とルービックキューブ
私が中学生のとき、クラスでルービックキューブが流行ったことがあった。
これは、誰かが持ってきたルービックキューブが先生に黙認されたからである。ちなみに、トランプや遊戯王などは禁止されていたのが囲碁や将棋などは黙認されていた。今思えば、このように一貫性のない意味のわからない規則ばかりであった。
私は、モテたい一心でルービックキューブを買ってもらった。付属の解法を一生懸命覚えるが、どうもしっくりこない。
もっと楽に解ける方法はないのか。と、インターネットで夢中になって解法を検索した。その甲斐あってレイヤーバイレイヤー(LBL)法という解法を知った。
この解法が凄いのは解くだけであれば覚えることが非常に少ない点にある。また、解法を覚えれば高速に解くこともできる。何とか4種類だけ手順を暗記して、2分以内で解けるようになった。
LBL法は鮮やかで、急に二段完成するように見えるのである。当時クラスでLBL法を使っているのは私だけだったので、一目おかれるようになった。
解けるようになったからといって、モテるようにならなかったのは言うまでもないが。
息子とルービックキューブ
「全然できない。」
そういって息子はルービックキューブを投げ捨ててしまった。
3歳になったばかりの息子には少し早かったようである。